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もち米を蒸し始めると、廊下からおこわの良い香りが漂います。トイレに行く子どもたちはもち米を蒸しているお部屋をちらりとのぞきながら、今にも待ち遠しい様子で、「楽しみ！」「早く食べたいなぁ」という声が聞こえてきます。1クラスずつもち米を蒸している様子を見学しました。蒸し器のふたを開けるとふわっと、おこわの良い香りのする湯気が立ち上がり、「うわぁ～」とうれしそうな表情の子どもたち。今年はロンゴで育てた小豆をのせたおこわです。お弁当の時間にみんなで美味しくいただくことができました。

3 学期に入り稲の活動が始まりました。今年は年長さんが群馬県の武藤農園に行き、稲を刈らせていただくことになりました。刈った稲はクラスで穂を切り、脱穀、もみすり、より分け、精米と年少さんから年長さん全員で協力し、丁寧に活動を行ってまいりました。 種もみから大切に育て、一粒一粒のお米を大切にし、みんなで美味しくいただくところまでの活動を通して「命の大切さや尊さ」を子どもたちに伝えていきたいと思います。 

新年おめでとうございます。ご家族皆様の上に神様のお恵みが、豊かに降り注がれますようにお祈り申し上げます。

　元旦から悲しい惨事が起きました。被災された能登半島の人々の苦しみを思うと、無事３学期を開始できることに感謝の気持ちでいっぱいです。２０２３年を振り返りますと、残念ながら世界は断絶・紛争を深めて行き、平和への希求は強まるばかりです。一方、平和が訪れるために多くの人が様々な立場で創意工夫しながら尽力しているのも事実で、ここに希望の光が見出されます。

　みょうじょう幼稚園でも、すべてのプログラムが「子ども達が平和の担い手となってくれますように」との願いを込めて作られています。その柱がモンテッソーリ教育です。

"Education is the best weapon for peace”

（教育は平和を実現するための最大の武器になる）

　マリア・モンテッソーリは、第一次世界大戦、第二次世界大戦と戦火を生き抜く中で、モンテッソーリ教育を通して、生涯、平和教育の普及に努めました。そして、「愛する全能の子どもたちよ。人類と世界が平和になるように手伝ってください。」と自身の墓にメッセージを刻んで子ども達に遺しています。

　マリア・モンテッソーリは、平和は人間の本質に基づくものであると捉え、「子ども達は、競争ではなく協力しあうものとして社会を認識し、発達に合った能力を引き出すことのできる環境を与えられ、周囲の大人に愛されていると感じることができれば、社会に貢献する人間に育っていく」と説いています。

　具体的に見てみると、縦割りクラスの中で、年上・年下・ 多様な人との関わりを通して、助け合い、思いやり合うことを学びます。そして、他者との違いを知りその違いを尊重し、互いに認めあう姿勢も身についていきます。豊かな環境の中から、自分の発達段階にあった活動を選んで心行くまで取り組むことで、内面が穏やかになり安定した精神となります。自分で選び、決め、実行する生活を繰り返すことによって、責任感の伴う強い意志力を育んでいきます。周囲には、自分を大切に愛してくれる大人達がいて安心できます。

　このように、モンテッソーリ教育の特徴である一人ひとりの個性を発揮しながら自分らしく生きる毎日にこそ平和教育の土台があり、自分も他者も大切にできる世の中への第一歩となっているのです。私たち教職員は、お子様への適切な援助を愛を込めて行うことが世界の平和に繋がるのだということを自覚し、そのように尊い役割を担わせていただいていることに感謝をもって、気持ちも新たに務めて参ります。

　昨年の皆様のご協力に心より感謝致しますとともに、今年も変わらぬご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。　

園長　寒川素子