インフォメーション

巣立ちの春の訪れを待ち望み

2016/02/04

 

 穏やかな日差しの中でお正月を過ごし、今年は、暖冬のまま春を迎えることになるのかしらと思っておりましたら、一転厳しい寒さが押し寄せ、久しぶりの積雪もありました。そのような状況になりますと、電車の運行状況がみだれ、遠方から通勤している教職員は、園にたどり着くまでが一苦労です。人口密集地に存在する幼稚園ですから、倉庫2つ分の備品の蓄えはありますが、いざというときに適切な判断が出来るように、日ごろからの心の備えも大切なことと改めて思いました。

 

 寒い中でのお餅つき大会

 先日のお餅つきには、寒い中、ご家族の皆さまが園にお集まりくださり、母の会役員さんと係のお母さまのご奉仕により、つきたてのお餅をおいしくいただくことができました。お父様がたの力強いお姿も、子どもたちの心に残るものだったでしょう。皆さま、ありがとうございました。

 当日は、懐かしいポン菓子も振る舞われました。あのポン菓子機は、3.11の震災の年に卒園した方々が、これからのみょうじょう幼稚園に集う未来の園児と保護者の為に贈ってくださった記念品です。毎年、あのポン菓子機の爆音を聴きますと、震災の年に卒園した方々を思い出します。

 卒園式を翌日に控え、先生方も役員さんも卒対係さんも準備を尽くし終えた頃、大きな揺れが発生しました。頑丈な作りの園舎はびくともしませんでしたが、道路の電線は激しく波打っていました。翌朝、卒園式は延期され、謝恩会は中止となりました。整えられた会場を見た時には本当に切なくなりましたが、被災地では深刻な状況が続いておりました。余震が続く1週間後に、時間を切り詰めて、証書授与式と派遣式を合わせて行いました。皆の思いが心から聖堂にあふれ、祈りに満ちた涙の卒園式でした。ご家庭の事情で7名の卒園児が出席できませんでした。当時の園長の神父様は「ここにいない7人にも卒園証書を渡すまでは、私の園長の務めは終わりません。」とおっしゃり4月の初めに2度目の卒園式を7名を囲んで行われました。それが神父様の園長としての最後のお努めでした。“幼稚園は心のふるさと”。よく神父様がおっしゃっていたお言葉です。この時期になると、子どもたちやお母さまお父さまとの関わりの思い出といっしょに浮かんでくる言葉です。園庭やロンゴのそこここに、保育室や教具の一つ一つに、関わった子どもたち、親たち、先生たちの思いが込められています。園長を引き継いだ時に「みんなの心のふるさとの“ホームキーパー”になられましたね」と言われたことが、この時期ずしりと響きます。

 

 小学校訪問と交流会

先日、年長さんたちと、三軒茶屋小学校にご招待されました。小学1,2年生の準備してくださった歓迎会に呼ばれますが、私たち幼稚園の先生の楽しみは、成長した卒園児に小学校という場で会えることです。みょうじょうの卒園児は、20数か所の小学校に分散しますが、三軒茶屋小学校にはどの学年も数名の卒園児がいます。素直に笑顔を見せる子。照れくさそうにすましている子…。みんな、神様から命という素晴らしいプレゼントをいただいて、人生の大切な幼児期をみょうじょうで過ごしました。「どんな大人に育っていくのかしら。いつも、ふるさとから祈っていますね」。そう心の中で言いながら、小学校の門を出て、ホームに戻りました。

 

 2月は、大きな行事もなく、ゆったりと園生活を味わえる時です。年長さんは卒園まであと少し。ここを巣立つ日まで、大切に過ごしてまいりましょう。  

園長 高橋由美

 

今年もよろしくお願いいたします

2016/01/06

子どもの心に残るもの

 
明けましておめでとうございます。
 
幼稚園に賑やかな子どもたちの声が戻ってきました。子どもたちは皆、お着替えの動きが止まってしまうほど、冬休みの話に夢中です。
 
お正月には日本古来の文化や風習がたくさん詰まっています。年越し蕎麦、除夜の鐘、おせち料理、書初め、初詣、まだまだたくさんありますが、それぞれに深い意味が込められていて、家族や親族と「体験を共にする」ことで、生きるうえでの大切なことを心に残すことができる行事のひとつひとつではでしょうかない。
 
私自身、新年の朝を迎えると、清々しい気持ちと一緒に、身が引き締まるような緊張感も込み上げてくるのは、私の幼い頃の思い出(体験)があってのことだと思います。新年の朝、静かに座っている着物姿の父の前に正座をして、「一年の計」を述べる「行事」がありました。私は年の離れた末の子でしたので、姉や兄がしっかりと語るのを聴きながら、自分の番が回ってくるまで、ドキドキしたものでした。とても優しい父でしたので、怖れではなく、普段と違う澄みきった空気感に緊張していたのだと思います。幼い私には、父が何を求めているのかなど、深くは理解できていませんでしたが、決して嫌いな時間ではありませんでした。姉、兄と同様に扱われた幼い私は、小さいながらに覚悟を決めて自分なり に理解していたように思います。無事にこの一大イベントを終えた後は、家族でおせち料理をいただき、お正月遊びを楽しんで過ごしたものです。
 
年少児と年長児の発達の違いを、お遊戯会を通して目の当たりにしました。また、同じ年齢であっても、物事の受け止め方は同様ではありません。にもかかわらず、モンテッソーリ園では縦割りの生活環境の中で過ごします。年少、中、長の子どもたちは同じおしごとのある環境の中で、先生から同じお話し、同じ歌詞の歌、同じ絵本を提供されます。それぞれの発達段階に応じて、物事の受け止め方は異なるでしょうが、何か心の奥底に必ずや核となるものが残っていくと私は信じています。どうせ幼いのだから「子供騙しでよい」ということではありません。私たち大人は真剣に子どもと向き合っていかなければいけないと思うのです。

 心を込めて、丁寧に子どもたちと過ごすことができますように、神様のお導きをお祈りしながら最終学期を過ごして参りましょう。 本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

                                            文責:主任教諭

在園児専用ページに2学期のアルバムをアップしました

2015/12/28

  • image
  • image
  • image

ファミリア・フェスタ(運動会)に向けての練習の姿。年長さんは組体操の練習をしています。真剣な表情に引き込まれます。

 2学期の保育時間様子をご覧いただく、在園児ページのフォトアルバム。お正月のご家族団らんの機会にご覧いただけるように、まとめてアップいたしました。

 

28年度新入園児募集は終了いたしました

2015/11/07

現在、2次募集の予定はありません。

29年度新入園児募集に関する情報は、28年4月以降に公表いたします。

入園説明会 無事終了いたしました。

2015/10/07

10月7日、第2回目の入園説明会が行われました。第1回は台風の嵐の中でした。第2回目は、託児クラスもあり、盛況のうちに終了いたしました。 園長、宗教主事、教務主任からの話、スライド上映、資料配布 等で “みょうじょうの今” をお伝えいたしました。10月15日からは、願書配布が始まります。

運動会(ファミリア・フェスタ)を前に

2015/10/01

運動会の練習が始まってしばらくした頃、登園から笑顔が見られず、朝の身支度も進まないある年長さんの姿がありました。
その日は、朝からホールで組体操の練習がありました。体操服に着替える様子もなく、先生たちの声掛けにも首を横に振るだけで、ただ時間だけが流れます。練習はもうとっくに始まっています。
気分が乗らないこともあるでしょう。苦手なこともあるでしょう。それに立ち向かうことは大人でも勇気がいることです。
でも、そのまま避けていいということでもありません。
    「練習に行きたくないの?」   
        頷きます。
      「どこか痛いの?」     
        首を横に振ります。
      「みんなと一緒に頑張ろう?」
        首を横に振ります。
        「一緒に練習するペアのおともだちがいるでしょ?    あなたがいないと出来なくてこまっているんじゃないかしら?    きっと待っているわよ。」
        頷くことも、首を横に振ることもせず、じっと立っています。
        「ペアのおともだちと二人で作る技があるでしょう。だから、あなたの力がないとその技はできないのよ。組体操はみんなで力を合わせて完成するのよ。先生、ペアのおともだちに、今、あなたも頑張ってお着替えしているからもう少し待っててねって、お伝えしてこようか?」

すると、その子はポロっと涙を流して頷き、体操服に着替え始めたのです。
こちらが驚くほど、ものすごい速さで着替えを済ませ、ホールに向かって行きました。

子どもたちは運動会の練習を通して、人生にとって大切なことを学んでいるのでしょう。
〝お友だちと協力して一人ではできない大きなことを成し遂げる〟
  それは、決して楽なことばかりではありません。時には勇気を持って立ち向かわなければいけないこともあります。
  他者を(お友だちを)思いやること、許すこと、委ねること。譲り合ったり、助け合ったりしながら、決して一人では体験できないことを学んでいくのです。大切なのは結果ではなく、子どもたちが運動会までどのように過ごしたかという心の過程でしょう。子どもたちには、成長する力が既にあります。私たち大人は小さな躓き(困難さ)に気づき、寄り添ってあげたら、子どもたちは自分の力で乗り越え伸びていきます。
運動会という成長のチャレンジを前に、ご家庭でもお子さまたちの心を受けとめ、励まし支えてあげてください。
  さぁ!  もうすぐファミリアフェスタです!
    皆で力を合わせ成し遂げることの尊さ、その喜びを知った子どもたちの輝く姿を、きっとご覧いただけることでしょう。         文責:主任教諭

 

入園説明会のご案内

2015/09/13

  • image

第1回は、台風が迫る大雨の中での開催となりました。いらしてくださった皆様に、感謝申し上げます。

同じ内容で、第2回を10月7日に開催いたします。 今回は 別室にてお子様をお預かりすることも可能です。

みょうじょう幼稚園の入園を希望されている方、検討されている方は、ぜひお越しください。

モンテッソーリ教育園の教室・教具もご覧いただけます。お天気でしたら、ロンゴ広場にもお入りください。

子育ての恵みーそれは自分の人生を生き直せること-

2015/09/02

  • image

夏休みがあけて、2学期が始まりました。
皆さま、長い夏休みをどのように過ごされたでしょうか。

ご家族そろってお里帰りやご旅行をされた方もおられるでしょう。
あるいは、ご家庭でゆっくりと過ごされた方もいらっしゃるでしょうか。
いずれにしても、お子さまがたはご家族やご親族と過ごされ、たくさんの貴い体験をされたことでしょう。

お子さまとの触れ合いの中で、ふと、ご自身が幼い時に過ごされた夏休みの体験を思い出されたお父さま、お母さまはいらっしゃいませんか。

自然の中でアウトドアの活動中には父の大きさが、興奮して寝付かない子に添い寝をしているときには母の優しさが思い起こされ、自分が両親から守られ愛されて育てられた幼少期であったことに気付かされたりします。

今まで思い出したこともなかった自分と親、兄弟との思い出が蘇り、懐かしい気持ちや郷愁の想いが染み染みと込み上げてくることもあります。

自身の中では、とうに忘れ去られていたことも、実は心の奥底に大切にしまわれ、無意識のうちに自分の思考や行動に現れていることがあります。

子育てを通してデジャヴのような体験をするのは、きっと幼少期に親にしてもらった体験をもとに、知らず識らずのうちに同じ思いを我が子に授けようとしているからなのではないでしょうか。

幼少期に大切にされ、愛された思いを忘れてしまっていたとしても、私たちは自分の子育てを通して、もう一度その愛の関わりを追体験することができます。

我が子の成長を感じながら、同時に自身の育まれた愛の軌跡をも辿ることができる子育て、自分をもう一度生き直すことになる子育てとは、なんと素晴らしい神さまからのお恵みなのでしょうか。

長い夏休みを通して、普段できない様々な貴い体験をした子どもたちもまた、いつか大人なって親になったときに、きっと深く思いを巡らすときがやってくるのでしょう。

運動会やお遊戯会などたくさんの行事がある2学期を、子どもたちが健やかに過ごすことができますようにと神さまのお導きを願い、園とご家庭とがさらに協力して過ごしてまいりましょう。 どうぞ、よろしくお願いいたします。 (文責  主任教諭)

1学期の子どもたちとのかかわりから

2015/07/18

  • image

六月の保育参観では、限られた時間ではございましたが、幼稚園で過ごすお子さま方の姿をご覧いただきました。
 いかがでしたでしょうか。
 お仕事に真剣に取り組む姿に心を打たれた方もおられたでしょう。
 あるいは、何をしたらいいかと探して時間が過ぎていく姿を見て、不安や焦りを感じられた方もいらしたでしょうか。
 子どもたちを比べないで見守ってあげてください。教室で日々関わらせていただくと、子どもは本当に一人ひとり皆違うと実感させられます。学びの歩みも、興味を持つ対象も、皆一人ひとり違うのです。その違いを「いいんだ」と認めて、そして「だいじょうぶ」と信じて子どもの歩みに寄り添いましょう。
 子どもたちは自分のペースで、幸せに生きていくための本当の力を身につけるために、毎日活動しています。
   
「わかった!」「できるようになった!」という子どもの真の喜びは、奥底に潜んでいた可能性を自力で手に入れた時に得られるものです。
 何度失敗しても、時間が掛かっても、私たち大人は信じて見守り、待ちましょう。そして、それができるようになった時、その子の大きな自立への一歩を一緒に心から喜んでください。 (文責 主任教諭)

一学期を振り返って

2015/07/18

1学期を振り返って

 

時間も、子どもの成長も留まることをしりません。新学期のスタートからもう、3か月が過ぎました。4月に戸惑いの中で始まったクラスの生活も、1か月を過ぎるころには、落ち着きが見られるようになりました。

先日、一斉保育の園で長年勤めておられる先生方が、モンテッソーリ園を初めて見学され、「目からうろこが落ちた」と衝撃を受けてお帰りになられました。

整えられた秩序のある環境と、子どもに適した子どもサイズの教具や教材。そして、「こうしなさい!ああしなさい!」ではなく、「どうするのだった?」「なにがいいとおもう?」と、子ども自身に問いかけ考えさせ、選んで生きていけるように促す先生。それら3要素があわさった時に、子どもが既に持っている生きる力が発揮されるのだと思います。

みょうじょうのモンテッソーリクラスの特徴は、一人ひとりの個性が活かされて創られる「活きたクラス」であることです。一人ひとりが違 う個性をもっているように、5つのクラスそれぞれが本当に違うユニークな雰囲気になってきています。それはいわゆる「設定された保育」ではないからです。

まだ、夏が始まったばかりですが、今後、このクラスの姿がどのように変わり成長していくのか楽しみです。きっと、1年は、とても早く感じてしまうことでしょうね。

 

 園長 高橋由美